エッセイ
ここ最近、胃の疲れを感じていた。
どうも何を食べても上手く消化できている気がせず、今夜こそ胃に優しいあたたかいものを食べようと心に決めていた。
「そうだ、今夜は湯豆腐にしよう。」
肉は肉屋で買え。とは良く言ったもので、やはり専門性のあるお店で買うものは一段と美味しい。
湯豆腐のようなシンプルなものを食べるのなら、豆腐は絶対に豆腐屋で買いたかった。
ずっと気になっていた蒲田の豆腐屋やさん、〔恵比寿屋豆腐店〕に赴くことに。
店頭で吟味していると「どれにしますか～。」と明るく声をかけてくれたのは店主のおじいさん。
絹豆腐だけをいただこうと思っていたのに、視界にチラチラと映りこんでくる綺麗に整列されている自家製のドーナツ。
う～ん。丁度小腹も空いているし、これは食べてみるしかないんじゃない？
まんまとドーナツもお持ち帰り。
夕飯はもくもくと湯気を立てながら煮える豆腐をつついた。
シンプルな食事こそ、素材の良さが重要。そんなことを身に染みて感じた時間だった。
それにしても、そろそろ本格的に春めいてきて鍋を食べると汗がとまらなくなってきた。
これが今シーズン最後の鍋だろうか。
ああ、もう少し早くこの豆腐に出会いたかったな。いや、でも今度は冷ややっこが美味しくなる時期か。
そんなことを考え、夏が来るのがいっそう楽しみになった。
恵比寿屋豆腐店 アクセス・外観
最寄り駅は京急蒲田駅。
駅からは徒歩３分ほど。高架下を潜り抜けて細い小道を進んだ先にお店はありました。
お豆腐スイーツの看板が目印。
スイーツの種類も豊富で、お豆腐だけ買いに来た予定だったのについつい、ついで買いしたくなってしまいます。
ベルのついた街灯の横にお店の看板。
昔ながらの街のお豆腐屋さんってどんどん数が減ってきているので、貴重な存在です。
恵比寿屋豆腐店 購入品
この日は、にがりとうふ(\280)と豆乳おからドーナツ(\90)をいただいてきました。
お豆腐は夕ご飯用に。ドーナツは近くの公園でお花見をしながらいただきました。
かわいらしいサイズ感。子供の握りこぶしほどでしょうか。
軽そうな外見にもかかわらず、もっちりしていて意外と食べ応えがあります。いい意味で期待を裏切られました。
お豆腐の味をしっかりと感じることもでき、素朴な優しい甘さが口の中いっぱいに広がります。
これで100円でおつりが来るなんて、私が小学生だったら間違いなく小銭を握りしめて通い詰めることでしょう。
無添加なのでお子様でも安心していただけるのが嬉しいポイント。
お夕飯にはにがりとうふをいただきました。
わかりますか。この手作り感のあるお豆腐の感じ。見るからに美味しそう。
我が家では湯豆腐に。
最初は自家製のポン酢をかけていただいたのですが、味が負けてしまったので、柚子胡椒でいただくことにしました。
豆乳の濃厚な甘味、大豆の濃さをしっかりと感じられ、口の中にいつまでもふんわりとした優しい甘味が残ります。
ほろりと柔らかく、口の中でスッと溶けていくのが、雪解けのようで儚くて良い。
大豆は青森県産のアオスズという品種を使用されているようです。
これはまた冷ややっこでいただきたいな。夏が楽しみ。
恵比寿屋豆腐店 店舗詳細
住所：〒144-0035 東京都大田区南蒲田１丁目１０−８ コーポ内山
営業時間：7:00～18:30
定休日：日曜
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